鍼（はり）治療は身体に鍼を刺入及び接触させることにより、 患部の鎮痛や自律神経の調節を行い体調を改善することを目的とした施術です。
特に実際に現場で用いることが多いのが経筋を用いた治療法です。
経筋とは最近でいう身体構造上の筋膜連結と非常に近いルートを通る、 東洋医学でいう気の通り道のことです。少し表現が難しいですが、 遠位の気の通り道（患部につながる末端）を整備して気の流れを良くし 近位の道を塞ぐ大きな岩（患部）を整備していくイメージです。 起き上がりや立ち上がり、介助歩行など様々な動作の動作開始時の痛み （スターティングペイン）やひきつり、痙攣による痛みなど筋肉や関節の 機能低下に起因する痛みに対して効果が期待でき、機能訓練と組み合わせる ことにより動作改善を促進します。
※当院は滅菌済み使い捨ての鍼を使用しておりますので感染症などの心配はございません。安心してご来院ください。

灸（きゅう）治療は身体に熱刺激を与えることにより 血液循環の改善や自己免疫能力を高め、患部の鎮痛 や自立神経を調節し体調を改善することを目的とした施術です。
高齢者の方や女性に多い、触れてわかる末端の冷えや、触った感じでは 体温差がないものの冷えを感じている状態に対して温めて温度を感知させることは、 末梢の血液循環や痛みの緩和に加えて知覚機能の改善にも大切なことです。
また、腹部や腰部における灸刺激は全身の温暖効果に加えて消化器疾患にも効果が期待でき、 当院でも便通などでお困りでご希望の患者様に実施しております。
当院で行う灸治療は台座灸を使用するため火傷が起こりくく、輻射熱を利用した 棒灸なども実施しており、熱を感じにくい場合はご希望に合わせてもぐさを直接肌に乗せて行う 昔ながらの灸治療も行っております。
※火傷のリスクがあるため、患者様の身体状態によってはご希望に添えない場合がございます。予めご了承ください。

当院における機能訓練は各関節を動きやすくしたり、拘縮を予防するための可動域訓練や 動作時に必要な筋力訓練、日常生活動作をスムーズに行うための動きづくりを行います。
高齢者の方は老化に伴い運動量の低下や病気などで臥床が増えるなど、様々な理由で筋力低下や 関節の動き、内臓の機能が悪くなっていくため、自立能力が高い方でも継続的な運動は不可欠だと 考えております。
また、患部の痛みもそうですが、運動をすることで血液循環が良くなり痛みが解消されることも しばしばあり、健康な側の運動が悪い側の状態を良くすることも多々あります。 そういった経験も踏まえ、悪い側のみならず健康な部分もしっかりと使っていくよう 心掛けて治療にあたっております。